生後3か月の赤ちゃんには、成長や発達に個人差が現れ始め、現在のミルク量が適量かどうか不安に感じることもあるでしょう。この記事では、月齢別のミルク量の目安を解説するとともに、ミルクが足りている場合と足りていない場合のサインや注意点についてご紹介します。また、ミルクづくりに役立つ水についても触れていますので、ぜひご覧ください。
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目次
赤ちゃんにあげるミルク量の目安は?
まず、月齢ごとに赤ちゃんに与えるミルク量の目安をご紹介します。
ミルクの量は、赤ちゃんの体重に合わせて計算するのが一般的ですが、実際に必要な1回分のミルク量は、授乳スタイル(完全母乳、完全ミルク、混合)や赤ちゃんの成長スピードによっても異なります。
生後半月~1か月
生後0日の赤ちゃんは1回あたり10mlからスタートし、1日ごとに10mlずつ増やしていきます。
生後半月ほどで、1回80mlを1日7回、合計560ml程度を飲めるようになるのが一般的です。
また、赤ちゃんがミルクを上手に飲めるようになってくる生後半月から1か月頃には、赤ちゃんの様子を見ながら1回100mlを1日7回、合計700ml程度を与えましょう。
生後1〜2か月
生後1〜2か月の赤ちゃんに与えるミルク量の目安は、1回あたり140mlを1日6回、合計840mlです。
赤ちゃんの成長や体重によっては、1回160mlを1日5~6回、合計960ml程度を与えることもあります。
この頃になると、ミルクを飲むスピードが速くなり、むせてしまうこともあるため、赤ちゃんの様子を観察しながらゆっくり与えるようにしましょう。
生後2〜3か月
生後2〜3か月の赤ちゃんに与えるミルク量の目安は、赤ちゃんの成長や飲む量に応じて、1回あたり140〜160mlを1日6回、合計840〜960mlです。
赤ちゃんのミルクを飲むスピードや量には大人の食欲と同様に個人差があり、また体調や気分によっても飲める量が変わることがあります。
そのため、赤ちゃんの様子を見ながら、適宜ミルク量を調整することが大切です。
生後3〜4か月
生後3〜4か月の赤ちゃんに与えるミルク量の目安は、1回あたり180〜220mlを1日5〜6回、合計で900〜1100ml程度です。
この頃から赤ちゃんの満腹中枢が発達し始めるため、1回に飲むミルク量が少なくても、機嫌がよく体重が少しずつ増えていれば心配ありません。ただし、便秘や下痢を繰り返す場合は、飲みすぎが原因の可能性があります。
生後4〜5か月
生後4〜5か月の赤ちゃんに与えるミルク量の目安は、1回あたり200〜220mlを1日5〜6回、合計で1000〜1100mlです。
この時期には飲みムラや遊び飲みが現れることがあります。そのため、1回あたりのミルク量が少ない場合でも、赤ちゃんの様子を確認しながら1日のミルク量を調整できていれば心配ありません。
生後5〜6か月
生後5〜6か月から離乳食を始める赤ちゃんもいます。
離乳食後は、赤ちゃんが欲しがるだけミルクを与えても問題ありません。ただし、生後5〜6か月の赤ちゃんに与えるミルク量の目安は、1回あたり200〜220mlを1日5回、合計で1000〜1100mlです。この目安を超えないように、1回分のミルク量を調整しましょう。
生後6〜9か月
生後6〜9か月の赤ちゃんに与えるミルク量の目安は、生後5〜6か月と同様に、1回あたり200〜220mlを1日4〜5回、合計で1000〜1100ml程度です。離乳食は、開始から1か月が経過する頃に1日2回に増やします。離乳食を食べる量が増えてくると、ミルクを飲む量が減ることがありますが、成長に必要な栄養はミルクで補うようにしましょう。
生後9〜12か月
生後9〜12カ月の赤ちゃんには、1回140〜220mlを1日4〜5回、合計で1000〜1100mlを目安にミルクを与えます。この時期、離乳食は1日3回に増えるため、離乳食後に合わせてミルクを3回、残りの2回を離乳食とは別に与えましょう。もし離乳食後に赤ちゃんがあまりミルクを欲しがらない場合は、無理に与えず、赤ちゃんの様子を見ながら1日分のミルク量を調節しましょう。
赤ちゃんのミルクが足りているときに出すサイン
赤ちゃんは、月齢に合わせたミルク量を作っても、実際に飲み切れる量は個人差によって異なります。赤ちゃんが哺乳瓶をくわえて飲まなかったり、舌で押しのける様子が多く見られたりすると心配になることがありますが、以下のサインがあれば、赤ちゃんに必要なミルク量は足りている可能性があります。
・順調に体重が増えている
・元気で機嫌が良い
・顔色が良く、肌にはハリがある
・おむつ替えで1日5〜8回おしっこを確認できる
赤ちゃんによってミルクの飲み方やペースには個人差があり、1回に飲める量が少なくても、回数を増やせば飲める子もいます。赤ちゃんの体重は、ミルクが十分に足りていれば順調に増えていきます。したがって、赤ちゃんの体重が少しずつでも増えており、ミルクを飲んだ後も機嫌が良ければ、それほど心配する必要はありません。
赤ちゃんのミルクが足りていないときの判断方法
しかし、一般的なミルクの目安量に比べて極端に飲む量が少ない場合や、ミルクを与えた後も機嫌が悪い赤ちゃんの様子を見ると、本当にミルクが足りているのか不安になることがあります。
赤ちゃんのミルク量が足りているかどうかは、主に体重の増え方で判断できます。また、ミルクの後に満足できず泣いたり、機嫌が悪くなったりする場合や、おしっこの量や回数が少ないことも注意が必要です。
以下では、ミルクが足りていない場合に見られるサインを詳しくご紹介します。もし赤ちゃんに元気がなく、体重の増え方やおしっこの回数に心当たりがある場合は、かかりつけ医や地域の保健師にミルクの量を相談することをおすすめします。
・体重が順調に増えていない
・短い間隔でミルクを欲しがる
・1日に5回以上おしっこをしない
体重が順調に増えていない
赤ちゃんが実際に飲む量が目安のミルク量より少なくても、体重が順調に増えていればミルク量は足りていると考えられます。しかし、体重が増えていない場合は赤ちゃんが十分にミルクを飲めていない可能性が高いです。
特に、生後4日から生後3か月の間で体重の増加が1日平均20g未満の場合は注意が必要です。また、赤ちゃんの元気がなく顔色が悪い場合は、早めに病院や保健師に相談することをおすすめします。
短い間隔でミルクを欲しがる
何度ミルクを与えても短い間隔でミルクを欲しがる場合は、ミルク量が足りていない可能性が高いと考えられます。また、ミルクを与えた後に泣いたり機嫌が悪くなったりする時も、赤ちゃんが満足できるミルク量を飲めていない可能性があります。
赤ちゃんが「ミルクが足りない」と泣く場合は、赤ちゃんが望む量を与えてあげましょう。ただし、ミルク缶に記載された1日の適正摂取量を大幅に超えないよう注意が必要です。過剰に与えると、反射的に飲み続けてしまい、吐き戻す可能性があります。
1日に5回以上おしっこをしない
おしっこの回数でも、ミルク量が足りているかどうかを判断することができます。一般的に、赤ちゃんは1日7〜8回程度おしっこをしますが、これより極端に少ない場合は水分が不足している可能性があります。
さらに、水分不足が続くと便秘症状が現れることがあります。ミルク量が足りているか不安な場合は、おむつ替えの際におしっこの回数とともに便の様子も確認してみましょう。
赤ちゃんにミルクをあげる際の注意点
赤ちゃんにミルクを与える際は、以下の点に注意する必要があります。これらの注意点を守らないと、赤ちゃんの体に負担がかかる危険性や、成長に必要なミルク量が飲めない可能性が高まります。
・粉ミルクの量や使用上の注意点は必ず守る
・成長に合わせてミルクの与え方を工夫する
・飲ませすぎないように気をつける
・飲みきれなかったミルクは処分する
・ミルクづくりに使用する水に気をつける
粉ミルクの量や使用上の注意点は必ず守る
粉ミルクを調乳する際は、付属の計量スプーンを使用し、パッケージに記載された指定濃度を必ず守って作りましょう。自己判断で粉ミルクの量を減らしたり増やしたりすると、赤ちゃんの腎臓に負担がかかる恐れがあります。
また、粉ミルクを調乳する際は、清潔な哺乳瓶や道具を使用し、常に清潔な状態でミルクを作ることが重要です。使用した哺乳瓶や道具は必ず消毒し、開封した粉ミルク缶は高温多湿や直射日光を避けた場所で保管しましょう。
成長に合わせてミルクの与え方を工夫する
赤ちゃんの成長に合わせて、ミルクの与え方を変えることも大切です。たとえば、生後3か月になると、横抱きのままでは飲みにくく、少量でもお腹がいっぱいになったと感じることがあります。
また、この頃には味覚が発達してこれまで飲んでいたミルクを飲まなくなったり、哺乳瓶の乳首の穴が小さすぎてしまうと、吸い疲れて飲むのを止めてしまうことがあったりします。赤ちゃんの様子を見ながら、ミルクを与える姿勢や哺乳瓶の乳首の形、さらにはミルクの種類を変えて工夫しましょう。
飲ませすぎないように気をつける
一般的なミルクの目安量よりも飲みすぎたり、適度な授乳間隔を空けられなかったりする赤ちゃんもいるでしょう。しかし、赤ちゃんに必要なミルク量には個人差があるため、飲み過ぎたからといって将来肥満になるわけではありません。
ただし、授乳間隔が短すぎると、吐き戻しの可能性が高まります。また、母乳に比べてミルクは消化しづらいため、便秘症状が見られた場合には、授乳間隔を少しでも空ける工夫が必要です。
飲みきれなかったミルクは処分する
栄養成分が豊富な温かいミルクには雑菌が繁殖しやすいため、ミルクを作ったらなるべく早く赤ちゃんに与えましょう。常温のまま保存したミルクを2時間以内に飲むことができない場合や、途中で赤ちゃんがお腹いっぱいになったり、授乳中に寝てしまったりしてあまり飲まずにミルクが残ってしまった場合でも必ず処分するようにしましょう。
なお、飲み残したミルクは冷蔵庫で保管しても雑菌が繁殖する可能性があるため、絶対に赤ちゃんに与えないようにしましょう。
ミルクづくりに使用する水に気をつける
赤ちゃんのミルクに水道水を使用する場合は、沸騰させてから10〜15分程度沸かし続けた水を使いましょう。沸騰時間が短いと、有害性が疑われている「トリハロメタン」が除去されていない恐れがあります。
また、ミネラルウォーターを使用する際は、必ずカルシウムやマグネシウムの含有量が少ない「軟水」を選ぶことが大切です。「硬水」を使用すると、消化不良を引き起こす可能性があり、赤ちゃんの内臓機能に負担をかける恐れがあります。
ミルクの作り方
次に、ミルクの基本の作り方をご紹介します。ミルクを作る際は、清潔さ、お湯の温度、ミルクを完全に溶かすことが重要です。
1.まずは、粉ミルクを調乳する場所を清潔にし、手を洗います。
2.70℃以上のお湯、ミルク(粉タイプor固形タイプ)、消毒した哺乳瓶を準備します。水道水を使用する場合は十分に沸騰させてから、調乳時の温度を必ず70℃以上に保っておきます。
3.ミルクのパッケージに記載された1回分の規定量を哺乳瓶に投入します。粉ミルクの場合は、付属の計量スプーンを使い、正確にはかりましょう。
4.哺乳瓶にでき上がり量の1/2~2/3ほどのお湯を注ぎ、哺乳瓶に乳首をつけてから、円を描くようにゆっくりと振り、泡立てないようミルクを完全に溶かします。
5.哺乳瓶の乳首を外し、でき上がり量の目盛りまでお湯、または湯冷ましを注ぎ、再度、哺乳瓶に乳首をつけて、全体が混ざるように軽く振ります。
6.ミルクを人肌程度の温度(40℃が目安)に冷ますため、哺乳瓶を流水に当てるか、水を張ったボウルに浸します。手首の内側にミルクをたらし、ほんのり温かさを感じる程度が適温です。
7.哺乳瓶の外側についた水滴を、清潔な布巾やペーパータオルで拭きとったら完成です。
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赤ちゃんのミルクづくりに役立つ水
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まとめ
生後3か月の赤ちゃんに与えるミルク量は、体重や個人差によって異なります。もし赤ちゃんが月齢の目安量よりもミルクを飲まない場合でも、体重が順調に増え、おしっこの回数や便の状態に極端な変化がなければ、あまり心配する必要はありません。
ただし、体重が増えず、おしっこの回数が少なかったり、顔色が悪く肌にハリが見られなかったりする場合は、赤ちゃんの健康を守るためにも、かかりつけ医や保健師にミルク量について早めに相談すると安心です。
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