つわりの時には、どんな飲み物が良いのでしょう。


母体はもちろん、赤ちゃんに影響のない飲み物を選んで、健康に過ごすために知っておきたい、妊娠中の飲み物や水分補給が重要な理由についてご紹介します。




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1.妊娠中の水分補給が重要な理由

妊娠中は、以下の理由で水分補給が普段よりも必要になります。


・赤ちゃんへ栄養を送る

・羊水の質を上げる

・水分不足防止

・便秘防止


体調も普段とは異なりますので、しっかりと水分補給を行うようにしましょう。
それぞれの理由について、詳しくご紹介します。



赤ちゃんへ栄養を送るため

ママのお腹の中で大きくなる赤ちゃん。赤ちゃんに酸素と栄養を届けるため、妊娠中は血液量が通常の1.5倍に増えます。しかし、血液量が増えたとしても、血流が悪いと必要な酸素と栄養を赤ちゃんに届けられなくなる可能性も。

そのために、こまめに水分補給をする必要があります。トイレに行く回数が増え、老廃物をスムーズに排出できると、血流に良い影響が期待できます。

 

さらに、水分不足となると、母体に閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)や、血栓症を引き起こす可能性もあります。

閉塞性動脈硬化症は、足の血管が細くなり、詰まってしまう病気で、血流を悪化させます。血栓症は血管の中に血のかたまりができることで、血流を悪化させます。

血流を良くすること、血流を悪化させる病気にならないために、こまめな水分補給を心がけると良いでしょう。



羊水の質を上げるため

ママのお腹の中にいる赤ちゃんを、外部の衝撃から吸収して守る役目のある羊水は、その他にも、赤ちゃんが飲んだり、出したりして呼吸の練習をしている重要なものです。

赤ちゃんがお腹の中で少しずつ大きくなり、腎臓が発達してくると、飲んだ羊水は尿として排出されるようになります。老廃物が臍帯(さいたい)を通して排出されるため、羊水に尿が排出されても羊水は汚れることはありません。

 

しかし、赤ちゃんが低酸素状態などになった場合には、便が出て羊水が汚れてしまうこともあります。この状態が続くと、口や喉の中に汚れた羊水で埋まった状態で、赤ちゃんが生まれることも。生まれた後に、そのまま肺呼吸が始まると、汚れた羊水が気管支などに詰まり、呼吸障害を起こす危険性もあります。

 

羊水の質を常に良い状態にしておくことが重要です。そのためにも、赤ちゃんが低酸素状態にならないよう注意しましょう。低酸素状態になる主な原因は血流の悪化です。いつも以上に水分補給をするようにして、羊水混濁が起こらないようにしましょう。



水分不足防止のため

妊娠中の母体は、普段と異なります。脂肪が蓄積され、羊水量が増加することもあり、基礎代謝量も増えています。赤ちゃんがお腹にいることで、体重増加が起こり、安静にしているときのエネルギー消費量(安静時代謝量)も、通常よりも多くなるとされています。

代謝量が増え、汗をかきやすく、体内の水分が失われるため、いつも以上に水分補給を行いましょう。体温を一定に保つために発汗をするので、発汗は悪いことではありません。発汗を止めようとするのではなく、水分補給を意識しましょう。

 

また、汗だけでなく、つわりによる嘔吐で水分が失われます。気温が高い梅雨や夏時期につわりとなると、普段の発汗も増え、さらに水分が不足しがちです。妊娠中に水分不足となると、血栓症や尿路感染症などの合併症が起こる恐れもあります。普段以上に、水分補給をこまめに行うようにしましょう。


飲酒時にはいつも以上に水分補給を意識しましょう。アルコールには利尿作用があるため、お酒とは別に水を飲むことが必要です。ビールを10本飲むと11本分の水分を排出してしまうといわれています。 お酒を飲んでいるからといって安心せずに、しっかり水を飲むよう心がけましょう。



便秘防止のため

妊娠中は、通常とホルモンの働きも異なります。特に妊娠初期は、妊娠を継続するために黄体ホルモンが腸管の動きを弱めることもあり、便秘に悩まされるママが多くいます。妊娠中期以降は、子宮が大きくなることで腸が圧迫され、便秘を起こしやすくなるでしょう。

便秘は、腹痛だけでなく嘔吐を引き起こす可能性もあります。嘔吐は脱水症状へとつながる要因にもなります。妊娠中だから、便秘になっても仕方ない、と考えるのではなく、便秘になりやすい状態でも、少しでも改善するようにマインドを変えるようにしましょう。そのために必要となるのが、水分補給です。水には便を柔らかくする働きがあります。十分な水分をとり、排便を促しましょう。


2.妊娠中に避けるべき飲み物5つ



妊娠中には避けた方が良い飲み物があります。普段、好んで飲んでいる飲み物が含まれているかもしれませんので、注意しましょう。以下の飲み物は要注意です。

 

・アルコールを含む飲料

・カフェインを含む飲料

・栄養ドリンク

・糖分を多く含む飲料

・甘酒

 

なぜ、妊娠中は避けた方が良いのか、詳しくご紹介します。



アルコールを含む飲料

アルコールは、胎盤を通過し、胎児細胞の増殖や発達を障害すると考えられているので、赤ちゃんの脳や体に影響を及ぼす恐れがあります。そのため、アルコールを含む飲料は、妊娠中は飲まないようにしましょう。飲みたくなった場合には、ノンアルコールを選ぶと良いでしょう。


カフェインを含む飲料

カフェインを過剰に摂取すると、興奮や震え、不眠が起こることがあります。また、消化器官へ刺激をするため、下痢や嘔吐を起こすことも。妊娠中にカフェインを過剰に摂取すると、胎児の発育を阻害し、低体重となる可能性があるとされています。カフェインを過剰に摂取しないよう、妊娠中は特に気をつけると良いでしょう。


栄養ドリンク

栄養ドリンクには、妊娠中には避けたいアルコールやカフェインが入っているものが多くあります。すべての栄養ドリンクがだめ、というわけではありませんが、成分の確認をして、妊娠中に避けた方が良いものが含まれていないか注意しましょう。


糖分を多く含む飲料

糖分の中でも、果糖ブドウ糖液糖などが含まれている飲料は、素早く体内に吸収されるため、血糖値が乱高下します。妊娠中の急激な高血糖は、母体はもちろん、胎児や胎盤の血液に影響を与えることもあります。コーラ、ジュースなどの糖分を多く含む飲料は、妊娠中は避けた方が良いでしょう。


甘酒

健康ドリンクとして人気の甘酒ですが、妊娠中は避けるようにしましょう。甘酒には、酒粕甘酒と米麴甘酒がありますが、どちらもおすすめできません。

まず、酒粕甘酒にはアルコールが含まれています。そして米麴甘酒には、糖分が多く含まれています。妊娠中に避けたい成分が含まれているため、甘酒は飲まない方が良いでしょう。



3.妊娠中、つわりがひどい時に飲むと良いおすすめの飲み物5つ



つわりがひどい時でも水分補給は必要ですし、栄養も補給しなければなりません。そのような時や、妊娠中期におすすめの飲み物は以下の5つです。

 

・炭酸水

・野菜ジュース

・牛乳

・ルイボスティー

・ハーブティー

 

おすすめの理由を、詳しくご紹介します。



炭酸水

つわりがひどい時の救世主とも言えるのが、炭酸水です。口の中がすっきりし、爽快感を得て、つわりの症状が和らぐ方もいるようです。炭酸飲料には、妊娠中には避けたい糖分が多く含まれているものもあるため、無糖である炭酸水を選ぶのがおすすめ。

つわりがひどく、何も口にしたくない、という時も、水分補給は必要です。そのような場合でも、無糖の炭酸水であれば飲める、というケースも多くあります。


野菜ジュース

つわりがひどく、何も食べられないという時の水分と栄養補給におすすめなのが、野菜ジュースです。形のあるものを食べると嘔吐してしまう場合でも、野菜ジュースであれば飲めることがあるでしょう。市販の野菜ジュースでも良いのですが、中には糖分が多く含まれていることもあります。作ってくれる人がいたり、体調が良く自分で作れたりする場合には、自作の野菜ジュースを作ることをおすすめします。


牛乳

カルシウムを摂取するために牛乳を飲むことを日課にしている人もいるでしょう。母体はもちろん、赤ちゃんの骨や歯を形成するために、妊娠中はいつも以上にカルシウムを摂取したいところです。牛乳を飲むのが苦手、という方は、料理に使用し、栄養を摂取すると良いでしょう。


ルイボスティー

ルイボスティーは、カフェインが含まれていないため、妊娠中の飲み物として人気です。

一方で、ポリフェノールも含まれていることも知っておきましょう。過剰に摂取すると、「動脈管早期収縮」という胎児の血管の一部がしまったり閉じたりする症状を引き起こす恐れもあります。過剰摂取をしない程度に飲むのがおすすめです。


ハーブティー

ノンカフェイン飲料で、癒される香りでリラックス効果が期待できるハーブティーも、妊娠中におすすめの飲み物です。妊娠中に向かないカモミール、センナ、ラズベリー、マテ、マリーゴールドなどは避け、妊婦向けとされているハーブティーを選ぶと安心です。また、担当医に相談して飲むのも良いでしょう。

 

4.妊娠中・つわりがひどい時に関するよくある質問

妊娠中やつわりがひどい時には、どうすれば良いのか不安に感じることもあるでしょう。よくある質問は以下のようなものです。

 

・摂取しても良いカフェインの量は?

・デカフェ・カフェインレス・ノンカフェインの違いは?

・妊娠中に毎日飲んでもいい飲み物は?

・カフェインの多い飲み物はなに?

・ルイボスティーは毎日飲んでも良いの?



それぞれについて、お答えしていきます。



摂取しても良いカフェインの量は?

諸外国の政府機関によると、1日のカフェイン摂取量は200~300mgにすることが推奨されています。コーヒーカップ1杯(200ml)あたり約120mgのカフェインを含むため、コーヒーでいうと1日1~2杯が適当と言えます。



デカフェ・カフェインレス・ノンカフェインの違いは?

どれもカフェインを含んでいないと思いがちですが、以下のとおり違いがあります。



・ノンカフェイン:カフェインが含まれていない

・カフェインレス:カフェインを90%以上除去している

・デカフェ:カフェインを含む飲食物から、カフェインを取り除いたもの全般を指す



妊娠中に毎日飲んでもいい飲み物は?

水や、無糖の炭酸水がおすすめです。また麦茶も良いでしょう。カフェインを含まないルイボスティーも良いのですが、ポリフェノールも含むため多量に飲むのは避けましょう。



カフェインの多い飲み物はなに?

栄養ドリンク、コーヒー、紅茶、煎茶に多く含まれています。特に栄養ドリンクは種類によるものの、カフェインが大量に含まれているものも多くあるため、注意が必要です。



ルイボスティーは毎日飲んでも良いの?

カフェインを含まず、冷えや便秘解消などの効果が期待できる抗酸化成分が含まれているため、人気のルイボスティーですが、毎日飲み続けるのはおすすめできません。胎児の動脈管早期収縮を引き起こす原因となるポリフェノールが含まれているためです。多量の摂取は避け、時々飲む程度に抑えると良いでしょう。



5.おすすめ炭酸水

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6.まとめ

つわりの時におすすめな飲み物についてご紹介しました。
大切な赤ちゃんと一緒に過ごす時期は、いつも以上に体に気を遣う必要があります。普段、当たり前に飲んでいる飲み物を、避けた方が良かったり、ということもあるでしょう。
知らずに飲んでしまわないよう、どんな飲み物を避けた方が良いのか、また飲める飲み物についても知っておくことをおすすめします。無糖の炭酸水は、毎日飲んでも安心です。
つわりのひどい時も、しゅわっとして、口の中をスッキリとしてくれるでしょう。



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参照元:

循環器病と妊娠・出産|公益財団法人 循環器病研究振興財団

胎児機能不全について|メディカルノート

妊娠中の飲み物は何を飲んだらいいの?妊娠中に飲んで良いものや避けたほうがいいものなどを紹介【医師監修】|ヒロクリニック

コーヒー/カフェイン摂取と日常生活- 妊婦、胎児、乳幼児、小児への影響 -栗原 久

ルイボス茶、プルーンに気をつけよう! 取り過ぎは胎児に心不全の危険性|うしじまクリニック

食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう|厚生労働省

飲料のカフェイン含有量に関する調査 |独立行政法人国民生活センター