「軟水」を使えばお米が美味しく炊けると聞いたことがあるかもしれません。
なぜ炊飯には硬水ではなく軟水が適しているのでしょうか。
ご飯をより美味しく味わうために、水の違いによる炊きあがりの変化や正しい炊き方を知っておきましょう。
そこで今回は、なぜ水の違いでお米の味が変わるのか、軟水でお米が美味しくなる理由、軟水で美味しいご飯を炊く方法を紹介します。
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目次
1.なぜ水の違いでお米の味が変わるの?
水の違いでお米の味が変わるのはなぜなのでしょうか。
ご飯には100g当たり60gの水分が含まれていて、炊いたご飯の6割が水分です。 生米の時点での水分量は1.5割程といわれているため、残りは炊飯時に吸収されることがわかります。
そのため、においのついた水を使うと炊きあげる際ににおいが移ってしまい、不純物が多い水を使うとお米が水を吸収しにくくなり固くてパサパサした炊きあがりになります。水はお米の炊き加減や風味に大きく影響するのです。
2.水の違いを比較~お米に軟水が良い理由~
軟水と硬水の違いを比較し、お米を炊くのにはなぜ軟水が適しているのかをみてみましょう。
軟水
軟水とは、炭酸カルシウムをはじめとする多価金属イオンの含有量が60㎎/L以下の水を指します。
まろやかで飲みやすいので、米本来の甘味や風味を邪魔しない他、ミネラルが少なく水分が吸収されやすいので、お米が柔らかくなりやすいという特徴があります。中でも弱アルカリ性のものを使えばお米に含まれるでんぷんの糊化を促進し、柔らかくふっくらとしたご飯に仕上げられるでしょう。
日本の水道水のほとんどは軟水ですが、塩素で消毒しているためカルキ臭がすることもあります。気になる場合は汲み置きするなどカルキ抜きをしてから使用するといいでしょう。
硬水
炭酸カルシウムをはじめとする多価金属イオンの含有量が60~120㎎/Lだと中硬水、120~180mg/Lだと硬水、180mg/L以上だと高度な硬水に分類されます。(WHO基準※1)
※1 日本では一般的に100mg/L未満を軟水、それ以上は硬水としています。
これら硬水は、ヨーロッパをはじめとする海外のミネラルウォーターに多いようです。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれるため、しっかりとした飲み心地を感じられますが、慣れていないと口当たりが重く苦みを感じるかもしれません。
硬水を使ってお米を炊くとカルシウムが米表面に付着して水分の吸収を妨げてしまい、硬くボソボソとした炊きあがりになるといわれています。また、マグネシウムの苦みや風味によってお米本来の味が損なわれやすいため、炊飯には不向きといえるでしょう。
3.軟水でお米を美味しく炊く方法
ここでは、軟水を使って美味しくご飯を炊く方法をご紹介します。
お米をキッチリと計量する
お米と水分の比率を崩さないよう正確にお米を計量しましょう。カップを使う場合はトントンと叩いて隙間を無くしてからはみ出た部分をすりきるようにします。はかりを使えばより正確な計量が可能です。
1回目の研ぎは素早く行う
1回目の研ぎは糠やゴミで特に水が濁るため、汚れた水を吸収してしまわないよう素早く行いましょう。ザルを使って水をはったボウルにくぐらせると手際よくできます。
お米は水にさらされるとすぐに吸水を始めるので、研ぐときにも軟水のミネラルウォーターやカルキ抜きした水道水を使うといいでしょう。
研ぎを2,3回繰り返す
2回目以降の研ぎも時間をかけないように意識します。力強く研ぎすぎるとお米にひびが入り、旨みが出てしまう可能性があるので気をつけましょう。揉んだりすり合わせたりせず、水に沈めて優しくかき混ぜる程度で十分です。
研ぎ終わったら汚れた水を吸収しないよう、しっかりと水を切ってくださいね。
浸漬時間をとる
お米に水を吸収させるために浸漬の時間を取りましょう。軟水を使えばしっかりと吸水できるため、お米の芯からふっくらと炊きあげられます。
浸漬は水温が高いほど速く低いほど遅くなるため、夏場は30分、冬場は60分、春・秋は45分程度を目安としてください。水は正確に計量してから入れるようにしましょう。
炊き上げる
最後は炊き上げです。炊く際はムラが出るのを防ぐために炊飯器に汚れや水滴がついていないか確認しましょう。
炊けたらすぐにふたを開けて一度ご飯をほぐします。放置して蒸らしすぎると水っぽくなってしまうので注意してください。すぐにほぐすことで余計な水分を飛ばし、空気に触れた米粒に膜が張られてべたつくのを防ぎます。
4.まとめ
お米は炊飯時にたくさんの水分を吸収するため、使っている水によってご飯の味が変わります。
軟水を使えば、お米本来の甘味や風味を消すことがなく、しっかりと水分を吸ったふっくらと柔らかいご飯が炊けるでしょう。一方、ミネラルが豊富な硬水はお米が水を吸収しにくく、パサパサと硬くなってしまうため炊飯にはあまり適していません。
ご飯を美味しく炊くにはお米と水の計量を正確に行い、汚れた水を吸わせないよう手早く研ぐことがポイントです。軟水を使ってふっくら柔らかいご飯を炊いてみてくださいね。
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